ネイティブ尺イワナに出逢った。

oko

2013年05月20日 21:19

綺麗なネイティブ渓魚に逢いたいよね!・・と言うことでワタシの溺愛ランディングネットのビルダーshimaさんと出撃。
今シーズン地元のHRはどうもコンディションが芳しくない、というのがお互いの共通した見解。それじゃちょいと遠征して、天然渓魚たちが棲むという渓谷の探索釣行をしてみようか。
ジムニーで国道~ワインディングロード~林道をひた走り、やがてたどり着いた熊の気配も濃厚な山中で身支度を済ませて、獣道を使って深い深い谷底に降りて行きます。

「ホ、ホントにこの谷底に川なんてあるのかな・・(汗)?」
・・と、へなちょこなワタシの心に不安がよぎります。カモシカが怪訝そうにこちらをうかがっている急斜面を、ひたすら歩いて下りようやく水辺に到着。ハァハァと息を切らせながらタックルをセットしていざ釣り開始!
ファーストキャストでいきなりのヒット~!・・が油断してバラし(泣)。でも、いいねぇ、渓魚が居るねぇ~♪
次はshimaさんが早々にヒット!釣れたのは綺麗なヤマメです。バンブーロッドが綺麗な弧を描いています。続けてワタシも今度こそは!・・水底から浮上してイワナのようにフライを咥えて翻ったのはヤマメでした。

やがて気温も上昇してきたのか、ミドリカワゲラのハッチが始まりshimaさんはイエローサリー系のフライで良型ネイティブイワナをキャッチ(羨)。
次にワタシも流れの尻にフライをトレースすると、ゆっくりなモーションでライズしたのは8寸ちょいの頭が大きいヤマメでした。



とてもワイルドな顔つきのネイティブヤマメです!・・だけど何だか貧弱な引き味?・・とても痩せたヤマメなのでした。
その後に釣れたヤマメもやはりガリガリに痩せています。何故だろう?答えはその上流部の区間にありました。
・・昨年の台風のダメージなのでしょうか?渓相がメチャクチャにガレています(汗)。流れが極端に浅くなってたり、おそらく本来は長い淵であっただろう地形が切り立った岩石で埋まっていたり。
どおりでこの区間に入った途端に、水棲昆虫の姿が減ったわけです。痩せたヤマメたちにとっては、春になっても餌となるものが極端に乏しかったのでしょう。
しばらくはまるで生命感の薄い流れになり、ふたりの釣りバカオヤジも次第に気分が萎えてきます・・。


           ↑ shimaさん

それでも時折は反応があるポイントも出現するのですが、集中力が切れていたのかラインのチェックを怠り、まんまとライズしたけっこう良いヤマメにティペットを切られたりして・・(泣)。
反転流でイワナのサイトフィッシングを狙うも、イマイチ食い込みが悪くすっぽ抜けたり。気がつけば天候も急変して、風がずいぶんと冷えてきました。気温・水温が低下したのか水棲昆虫のハッチもすっかりなくなり、渓魚の活性も落ちてきたようです・・。

ガレ場の荒れた区間が終わると、再びポイント毎に渓魚が飛び出すようになってきました。だけど・・
「こんなに寒くちゃ、こりゃこの先魚のサイズはもう期待できないかもねぇ」・・と嘆くshimaさん。うむむ・・それでもポツポツ釣れはしますが、大場所でもレギュラーサイズがやっとで、本命サイズはいないのか水底に沈んでるのか??
時折ネットサイズのイワナが釣れたりすると、ややテンションも持ち直すのですが・・(苦笑)。



あきらめムードで遡行しているといよいよ雨粒が落ちてきた。ますます体感気温も下がり、われわれのテンションも下がってきた・・
・・と思ったらshimaさんが声を荒げます。
「でけぇの居る!ゆうに尺はあるよ!35cmあるかも(汗)?!」
思わずワタシも目を凝らすと、見えた!流木か何かかと思ったら尺上イワナだ!淵でゆったりとクルージングをしている・・「バシャッ!」・・ライズしやがった~(汗)!
思わずワタシはキャスティングを繰り返しますが、泳ぎ回るイワナを見失いThe Endか・・?!。
あきらめていったんその場を立ち去ろうとしたら、岩陰にいた尺上イワナにこちらの姿を見られ逃げられました・・完敗です(泣)
警戒心が高い尺クラスはやはり手強いぜ・・だけど、やっぱいいの居るんだな。それがわかっただけでも嬉しい釣りバカオヤジふたりなのでした(笑)。

「このコンディションで、あのサイズの源流ネイティブイワナを、目撃できて姿を拝めただけでもありがたい、としますか(苦笑)。」
思わずふたりとも本音を吐いてしまいます(笑)。
やがて水深のある淵に到着。ここは期待したいところですが・・正直自信はないワタシです・・。
shimaさんに美味しいポイントを譲っていただき、念のため6.5Xティペットを新しくして、本日好調だった#16CDCカディスに結び変えます。

淵の底が岩盤テーブル状になっているポイントを流れる、バブルラインにゆったりとフライがドリフトします・・すると水底からイワナが浮上してフライを吸い込むようにライズ!ロッドを立ててアワせると、ギャリソン201テーパーのバンブーロッドが絞り込まれます!ヒットしたのは良型の予感!
イワナは何度も水中に突っ込み応戦してきます。
「おお~っ?!ヤバいヤバい~!岩盤に潜り込まれるぅぅぅ~(汗)!」
・・な~んてうろたえているワタシの表情は、実は嬉しくてニヤけています(笑)。
イワナを寄せてランディングネットを構えるとまた走られ、何度目かのトライで掬おうとしたら空振りして下流に泳いでいった・・あらら?・・こりゃホ、ホントにヤバい~(激汗)?!
「バレるなよ~!」と、祈りにも似た気持ちを込めてようやく・・ネットイン!



ぶっといボディーの幅広で鰭もピンシャン、渋みのある魚体の色合いと鮮やかな黄色の腹部の色彩・・大型の源流イワナだけが持つ風格のある面構え。
「やりましたわ~!嬉しいです~!」と思わずshimaさんに握手を求めてはしゃぎまわるワタシです。完全に気持ちが舞い上がっています(笑)。
本日まさか逢えるなんて思ってもみなかった源流ネイティブ尺イワナよ、ありがとう!


    ↑ 尺を獲って調子こいてる釣りバカokoオヤジ

尺イワナの記念撮影を終えてもう一度先ほどの淵にトライ。まぁ、そんなに上手くいくとは思えないが・・バシャッ!
サイズは尺に見劣りしますが、コイツもパワフルな筋肉質イワナです。しかも魚体の鮮やかさがスゴイ!ギュンギュンと流れを疾走して、グイグイとバンブーロッドを曲げてくれます。キモチいい~♪



そんなこんなのアベック撮影・・あらあら尺が大暴れでこんな写真になっちゃいました(笑)。
その後もベテランshimaさんはサイトで良型を発見しては確実に仕留めて、ワタシにもイワナを見つけては釣らせていただきました。
途中のガレ場区間の無残な光景を見た時は内心どうなることか・・と思ってましたが、終わってみればたくさんのネイティブ渓魚と戯れることが出来ました。長い歳月をかけて、あの区間の渓魚たちもいつの日か復活してくれることでしょう。

久々に山中を彷徨うような釣行は楽しかったです。なんかね、「リアルな渓流釣り」を体感するんですよね。
体力使って冷や汗かいて険しい谷底に降りてゆく感覚、釣りを終えてヒイヒイ言いながら急斜面を登って脱渓する苦労。
山深い渓谷って台風とか大増水、積雪・なだれ・土砂崩れなどの影響やダメージをもろに受けるのです。でもそれが現実なんだよね。
そして逞しいネイティブたちは必ず甦る。すごいよ、自然の偉大さってのは!


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