尺クラスのネイティブイワナに逢いたいよね!・・ということで
shimaさんと出撃。
なんと今回はまさかのスペシャルゲストが信州に来訪!「師匠」
KIFさんの登場です!
初夏の日差しはまぶしく新緑が鮮やかな季節。ヒグラシが鳴き盛る山中を3人で数時間彷徨い、ようやく麗しき渓谷に到着しました。
釣りを開始まもなくして早々に、KIFさん良型イワナをヒット~!長年愛用されているフライロッドを完全に自分の手のように操り、力強いネイティブイワナの引きをいなしてランディング。
全国の渓流で
数々の尺クラス渓魚と渡り合っている百戦錬磨の男です。次から次へものすごくタイトにポイントを攻略して、ここぞの流れから確実にイワナを引き出しますね~♪
ストーキングやアプローチなどの技術も、見ていてワタシはとても勉強になりました。さすが激戦区の渓でもまれているKIFさんです。いかなる厳しい状況の渓でも実績を上げているのがうなずけますね~。
さてさて、本日ワタシの相方は
Taki Rod 7'6"#4 / Paul H.Young The Perfectionist Taper・・そう、この日のためにワタシはロッドビルダーtakiさんにこのバンブーをオーダーした、と言って過言ではないでしょう。
強靭な尺イワナを狙える渓で気持ちよく振れる、良型に負けないパワーを持つバンブーロッド。さぁ出番ですよ~!
あまりに好天ドピーカンのためか、まだ水棲昆虫のハッチもまばらな時間帯だからなのか、イワナは日陰などの渋~い場所に潜んでいるようです。うっかり足を踏み込んだ止水のようなとんでもない浅瀬から、カエルのように跳ねて逃げてゆくイワナもいました。
ふと目にとまった中型のカゲロウが水面に飛翔する穏やかな流れ。ここは出て欲しいよね・・ボコッ!素直にフライへライズしてくれたイワナでした。
いつもならワタシをじゅうぶんウハウハ気分にさせてくれる25cmほどのイワナですが、本日はこのサイズじゃまだまだ物足りない・・
・・すでに尺を手にしているshimaさんから、
「KIFさんokoさん、ふたりにも尺釣ってもらわなくちゃね~!」・・と高らかに宣言されてますから(笑)。
・・まさかこの一言が、後々ワタシに
重いプレッシャーとして圧し掛かってくるとは、この時点ではまだ思ってもいませんでしたが・・(苦笑)。
イワナの気配が濃厚な淵に到着。カディスやストーンフライなどの水棲昆虫のハッチも盛んになってきましたよ~♪
サイトで良型イワナが見えます!反転流から何尾かのレギュラーサイズイワナを釣りますが、まんまとフライを咥えたはずの良型は、何故かフッキングが浅くてバレたりすっぽ抜けたり・・??
8寸クラス程度はあっさり釣れるのですが、警戒心の強い良型イワナは、けっこうフライを選んで見切っている様子です。きっちりとフライパターンを合わせて、ドリフトの精度をあげないとしっかりと毛鉤を咥えてくれないようなのです。
↑ 噂どおり見事なFF腕前のKIFさん
そしてKIFさんはサイトフィッシング&ライズハンティングで良型連発です!「こりゃほぼ尺でしょ!」なサイズから尺上33cmイワナまで、ロッドをバットからギューンと曲げるような大物と次々格闘しています(羨)!
ワタシもそろそろサイズアップを図らなくてはなりません(汗)。怪しげなバブルラインに#14CDCカディスがドリフト・・モコッ!とライズした主は尺ありそうなイワナです!
トルクフルな引き味にパーフェクショニストテーパー バンブーロッドが気持ちよく曲げられます・・く~っ!たまらん(笑)。イワナはなかなかのパワーがあり、何度も水底の岩に潜り込みそうになります。
だけど・・そろそろランディング体制か、と背中から吊り下げたランディングネットに手を伸ばそうかと思った瞬間・・フッと毛鉤がイワナの口から外れた?!・・
ガガ~ン(泣)。何でなのぉ~??
↑ 頼もしいガイドを務めてくれたshimaさん
さらには大岩の小さなくぼみから、まんまと引きずり出した良型イワナはアワせ切れ(泣)。反転流の泡溜まりでしてやったり!でヒットさせた推定尺のイワナも、十分にファイトをしていよいよランディング・・の瞬間に悪夢のスローモーションのように鉤が外れた・・(大泣)。
「okoさん、今日どうしちゃったの?」
ワタシとイワナのファイトを観戦していたおふたりも、さすがにバラしまくりのワタシに嘆きの言葉をかけてくれます。ホント、何でなんだろう・・(激汗)?
バラしの理由を自分なりに自己診断して、ポールヤング テーパーのバンブーロッドを使ったことがあるshimaさんのアドバイスと合わせて考察してみると・・
おそらくこのパーフェクショニスト テーパー独特のロッドアクションを、まだまだ自分のモノに出来ていないのが原因なのではないかと思います。
ふたりが傍から見ていると「okoさん、やけにオーバーアクションなアワせだな」と感じたそうです。当のワタシ本人も、アワせた瞬間のロッドグリップへの手応えが薄くて、さらに2段アワせのような事をしている自覚もあります。
↑ 良型イワナをバラしまくりのへなちょこokoオヤジ photo by KIFさん
つまり、実際は軽くアワせてじゅうぶんにフッキングしているはずのに、ワタシ自身がロッドから伝わるフッキングの感触に気付くのがほんの一瞬遅れるようなのです。
そのことにいちいち慌ててしまいロッドを煽るようなことをするから、最終的にアワせ切れしたり鉤が外れやすくなっている・・のではないかと。
あとは良型ヒット後のやり取りを、もっともっと時間をかけて慎重にしなくちゃいけないな・・(反省)。
そういえば以前、shimaさんにこう言われてたっけ・・
「ポールヤング テーパーは、使い慣れるまでアワせに気をつけたほうがいいよ。」
・・そのまんまの失態を、本日おふたりの前で何度も何度もご披露してしまったワタシです、まったく情けない・・(-_-;)
それでもメゲずに遡行は続きます。だけど・・
「このままじゃ、尺を獲れてないのはワタシだけ・・^^;?」
・・徐々にワタシも焦り始めてきたのは言うまでもありません(苦笑)。
やがていかにも尺イワナが潜んでいそうな淵が現れた。サイトで目を凝らして見てみれば・・
「おっ!いるいる!岩盤縁の巻きにデカイのが定位している・・ライズした!またライズ!!」
これは獲らなくてはイケマセンよ~!これでハズしたらもうワタシ本日お家に帰れません・・もしコイツを釣ることが出来なかったら、
「尺が釣れるまで居残り、独りで熊の棲む渓谷で寝袋素泊まり」
のムードが濃厚です・・(ToT)/~~~
だけど気合が空回りして、キャスティングミスしたフライがイワナの頭上にボチャッ!と着水(汗)?
「オォ~ ノォ~!ヤバッ(汗)?!」・・声にならない悲鳴をあげるワタシ(@_@;)
・・幸いイワナには警戒されていない様子・・って言うか、#14CDCカディスを完全に無視してるよ・・モコッ!フライの横でまたライズした!・・くっそ~!ナメてんのかぁ~(泣)!!
イワナは反転流のなかに浮き溜まっている、なにかとても小さな虫を選別し捕食しているようです。フライサイズを#18~20にまで落とせば確実に食ってくるだろうけど、今日のワタシはそのフックサイズじゃランディングまで持ち込める自信がありません・・。
ボリューム感があるカディスからガラリとフライチェンジして、ハックルを薄く巻いた繊細シルエットの#16ピーパラに結び直し、祈りを込めてトライ!
チュポッ!・・へっ?拍子抜けするような小さなライズ??ロッドをアワせるとイワナが一気に疾走する・・すんごいパワーです(驚)!
パーフェクショニストが満月のように曲がり、淵の深みにイワナがずんずん沈んでいきます。
「okoさん!慎重に、慎重になぁ~!」
駆け寄ってきたKIFさんが声を掛けてくださるので、
「いつもバラしてばかりやけどな、ワシかて、一応いつも慎重なつもりやねん(笑)!」
と、関西人が嫌がるインチキ関西弁で切り返してウケを狙いたいところですが、もはや今のワタシにはそんな
精神的余裕などおまへんわ~(苦笑)!
何度も何度もイワナは水中に突っ込みます。水面近くまで浮かせては再び潜られ、近くまで寄せてはまた遠くまで泳がれて・・徐々に主導権をイワナに奪われている気配です・・今度はティペットが切れたりして・・なんて嫌な予感もアリアリで、もうワタシこの場で泣きたい気分だわぁ・・(汗)。
それでも踏ん張り、バンブーロッドのバットパワーで粘りながらも、適度なラインテンションを保ちながらファイトを続けて・・とても長い時間に感じた・・ようやく浮かせたイワナは・・
尺上だ!
自分自身の興奮を押し殺すように、最後まで、最後まで慎重に・・
ネットイン!
↑ クドくてスミマセン(笑)。あまりに嬉しいので3アングルから撮影(笑)。
上唇が割れているワニ顔の爬虫類みたいな貫禄たっぷりイワナ!極太で幅広の輝くボディーに、尖った尾鰭とでっかい胸鰭。
ここでも手際の良さが光るKIFさんが、メジャーを取り出しササ~ッと計測してくださって33cm!
こりゃもうワタシにとって嬉しすぎる
完璧な尺上イワナです!サイズや重量などの数値なんかじゃ語れない存在感。何尾もの良型バラしを経験した悔しさを吹き飛ばしてくれるような一尾でした ♪
パーフェクショニストで闘ってよかった・・最後の最後で辛うじて勝利をつかんだような気分です。おもわずおふたりに握手を求めてしまったワタシなのでした(笑)。
イワナの記念写真を終えて淵にリリース。興奮から落ち着きを取り戻しつつあるワタシを渓谷の静寂が包み込みます。さぁこの調子でこの先も尺狙いで~!
・・と気分が浮かれながら、しばらく釣り上がったところでイワナの反応が突然途絶える・・?
どう考えたってイワナが飛び出してきそうな絶好ポイントがことごとく沈黙・・??
「え~っ?!ここで出ないのは、おかしいぜ!」
思わず首をかしげるshimaさん・・どうやらこの先の区間は先行者の存在があるようで、一気にテンションが下降する我々でした。
その後のワタシは必死こいて釣っても出るのはオチビイワナだったり、竿抜けポイントで仕留めたそこそこ良型もまたまたバラしちゃったり・・ワタシのバラし病は重症だ・・(泣)。
最後は2人のフライマンたちに追いついてしまい、後半戦はまさかの展開での終了でした・・。
それでもここぞのシーンで最後にも、シビアな状況下で良型を引きずり出したKIFさんはさすがの一言です!
↑ 急激にテンションダウンする信州FFオヤジのふたり
何だかんだでみんな大満足の釣行でした。フライフィッシング上級者おふたりと釣行のお供をさせていただけたことは、ワタシにとってとても大きな財産となります。
KIFさん、shimaさん、お疲れさまでした!また一緒に釣りをしましょう!
その時までに、ワタシはもっとパーフェクショニストを使い込んでもっともっと溺愛バンブーロッドにしてみますよ~!
「完璧主義者」という名の最高に気持ちよい釣り味の竹竿で、完璧な美しさの尺イワナを仕留める・・今シーズンのワタシの最大目標をまずは達成することが出来ました!そしてまた一人の素敵なフライフィッシャーと出会えました!素晴らしい一日でしたよ~♪
あぁ、それにしてもまた楽しみでもある悩みがひとつ増えちゃいました・・もっともっとパーフェクショニストでた~くさん釣りをして、も~っともっと使い慣れなくちゃなぁ・・(^^♪